2026ユニセフセミナー①
子どもの権利は社会を変える!
~子どもの権利基盤アプローチ
講 師 曽我智史(そがさとし)さん(弁護士、社会福祉士)
日 時 2026年2月5日(木)
会 場 コレルせいぶんホールJR住吉駅 徒歩8分 生活文化センター2階)
参加者 58人
共 催 神戸市ファミリー・サポート・センター、兵庫県ユニセフ協会
後 援、神戸市教育委員会、神戸市教職員組合、コープこうべ第3地区本部
弁護士であり、社会福祉士でもある曽我智史さんは、子ども支援をする上で必須の視点は「子どもの権利」と話し、子どもの権利条約の理念や内容を「共通言語」にしていきませんかと投げかけました。 権利条約の4つの原則「差別の禁止」「子どもの最善の利益」「生命、生存及び発達に対する権利」「子どもの意見の尊重」がキーワードです。講演では権利の本質、子どもへの接し方について深い示唆をいただきました。
そもそも「権利」とは一人ひとりが自由に生きるためのものです。漫画を読みたい、旅行に行きたい、安心して暮らしたいといった日常の自由と密接に関係しています。この自由が侵害されたとき、私たちは「権利が侵害された」と表現します。
ただし、権利は「何をしてもいい」という特権ではありません。
いじめる権利や他人のスマホを見る権利がないのと同様に、他者の権利を傷つけることは許されません。
大切なのは、自分と他者の権利が共に尊重される社会を目指すことなのです。
NPO法人つなごが運営する「子どもシェルター」は、虐待などで居場所を失った10代の少女たちが一時的に避難できる施設です。場所は秘匿である為、子どもたちに対し外出制限やスマホを取り上げるなどの不便を強いていますが、その分「会話」に力を入れています。
ある少女が退所時に語った「ここで初めて、自分の気持ちを話していいんだ、聴いてくれる大人がいるんだ、大人と対等に話せるんだと思った」という言葉は、家庭内で彼女の声がいかに不適切に扱われていたかを物語っています。
子ども支援をする際は、子どもの話を聴くこと「子どもの意見表明権」を中心におくことが大切です。子どものわがままを聞くことではありません。
大人が子どもに「あ~しろ、こ~しろ」と代わりに決めることなく、子どもが自分で決められるように「待つ」と姿勢で接すること、言葉にならない「もやもや」した気持ちにも丁寧に応答する義務が大人にはあります。

曽我智史(そがさとし)さん
弁護士、社会福祉士。 兵庫県弁護士会子どもの権利委員会委員長、兵庫県弁護士副会長などを歴任。 現在は、NPO法人つなご(子どもシェルター)理事長、大阪市いじめ調査第三者委員会委員長、
尼崎市子どものための権利擁護委員会委員長、兵庫県児童相談所(子どもセンター)のアドバイザー、様々な自治体でのスクールロイヤー、様々な自治体でのいじめや学校事故の調査を担う委員会の委員、一般財団法人コープこうべ奨学金財団評議員、他多数。
子どもに判断の材料となる情報や考えるための時間を提供し、大人が子どもの発言を否定せずにまずは受け止める。安心して会話のキャッチボールができる関係性を作ることが重要です。
この経験の積み重ねが、深い「共感」を生みます。共感は単なる傾聴ではなく、理解したことを言葉で返し合う双方向の「対話」です。
「聞いて、聴いて、共感する」という揺るぎない関係性があってこそ、子どもは初めて「自己決定」ができるようになります。 「子どもの意見表明」を保障することで「子どもの最善の利益」が確保できるのです。
第47回(2025年)ユニセフ ハンド・イン・ハンド街頭募金活動
①日時/会場 2025年12月21日(土) 11:00~12:00 / 西宮北口、コープこうべシーア(住吉)、元町大丸前、明石、姫路
②日時/会場 2025年12月21日(土) 幕間 / 兵庫県立芸術文化センター
参加者 総勢81人
今年のハンド・イン・ハンドのテーマは「すべての子どもに生きる希望を!」。
兵庫県内6か所(西宮北口、兵庫県立芸術文化センター、コープこうべシーア、元町大丸前、明石、姫路)で街頭募金活動を行いました。
あいにくの雨天でしたが、ボーイスカウトのみなさん、西脇工業高校・神戸大学・甲南女子大学の学生さん、伊藤ハムさん、阪神友愛食品さん、コープこうべ職員のみなさん、ユニセフボランティアさんとそのご家族・ご親戚の方など総勢70人以上が参加し、行き交う人々に募金を呼び掛けました。
募金にご協力くださったみなさま、募金活動に参加してくださったみなさま、そして会場設営にご協力いただいた関係者のみなさま、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

2025国際理解講座⑤
アフリカ:国際政治の最前線(フロントライン)
講 師 大津司郎さん(アフリカジャーナリスト)
甲斐信好さん(拓殖大学副学長、国際学部教授)
日 時 2025年11月22日(土)
会 場 神戸市教育会館 ホール
参加者 42人
主 催 兵庫県ユニセフ協会
後 援、神戸市教育委員会、神戸市教職員組合、コープこうべ第3地区本部
※公益信託兵庫県婦人会館ユネスコ基金助成を受け実施しました。
国際理解講座⑤では、拓殖大学副学長の甲斐信好さん、ジャーナリストの大津司郎さんをお迎えし、国際政治の視点から世界中の注目を集めているアフリカについてお話しいただきました。
アフリカは、紛争と少年兵、極度の貧困などから脆弱な場所というイメージを持ちがちですが、国際政治の最前線フロントラインでもあります。
アフリカの人口は現在13.4億人、その半分は20歳以下です。その人口は2050年までに約25億人に達し、2100年には世界の約4割になると予測されています。圧倒的な人口増加と若年層の割合は、将来的な経済成長の大きな可能性を秘めています。
また、豊富な地下資源はもちろんのこと、国連加盟国約200か国のうち54か国はアフリカの国です。その投票権にも世界中が注目しています。
ただ、大きな課題も抱えています。アフリカでは多くの紛争があり、アフリカ諸国(南スーダン、スーダン、コンゴ民主共和国、ソマリアなど)は多くの難民・国内避難民を抱えています。
難民キャンプでは支援物資の横流し、貧富の差、周辺では武装勢力による襲撃があります。
資源をめぐるスーダンの内戦は世界最大の人道危機。 最も被害を受けるのはアフリカ人同士で戦わされるアフリカの人々。タンザニアのように選挙を巡る混乱や、強権的な体制など、民主主義がうまく機能していない事例も多くあります。
国際政治の視点から見た時、アフリカは大国間の競争の最前線です。
紛争の背景にあるもの、それはイデオロギーではなく、宗教と民族(アイデンティティ)そして地下資源の争奪戦。
携帯電話やPCに使われるタンタルなどの地下資源がアフリカから採掘されており、経済安全保障上極めて重要な地域です。
コンゴ民主共和国とルワンダ間の紛争も、この地下資源を巡る大国の争いが関わっていると見られています
中国は、「早くて安い」を武器にアフリカ全土、おそらくアフリカの54カ国の全てで、政府施設、競技場、鉄道などのインフラを建設し、圧倒的な存在感を深めています。
では、日本の課題は何でしょうか。日本は情報虚弱者であり、世界に対する体験及び対応力が貧弱です。この象徴として、パスポート取得率を比較すると、イギリス88%、カナダ70%、台湾60%、韓国50%なのに日本人はわずか17%で先進国やG7の中では最も低い水準です。
日本が生き残るために必要なことは「世界を知る」ことであり、日本の学生が世界に出るための環境整備と経済的支援への投資です。
質疑応答の時間では、高校生を始めいろいろな年代の方々からの質問に丁寧にお答えいただきました。関心の深さが伺えるとともに、先生方に感謝申し上げます。
<プロフィール>
大津司郎さん(写真右)
アフリカを追求し続けているジャーナリスト。ケニア、ウガンダ、ルワンダ、ソマリア、タンザニア、コンゴ、スーダンなどアフリカへの渡航は200回以上。アフリカ関係の数多くのTV番組のコーディネーターやツアーガイドとして活躍中。
甲斐信好さん(写真左)
拓殖大学副学長、国際学部教授。「国際学を思いやりの学問」東南アジアや東アフリカの国際政治(特に民主化と紛争)が研究テーマ。2005年からゼミ生にアフリカの国際政治の最前線を肌で感じてもらうスタディツアーを行っている。
